0

どしゃぶりのバス停で 〜Episode of Yurika〜 2

「優里香ー、今日一緒に帰れる?」
美穂が話しかけてきた。
今日は部活がなくて、久しぶりに美穂と帰れる!
木村のこと、相談してみようかな…
「もちろん!」

校舎を出るとすぐそこがグラウンドだ。
今日はサッカー部があるみたい。
「あっ…」
木村がいた!
サッカーボールを追いかける真剣な目が、いつものほほんとした印象をガラッと変えている。
次の瞬間。
木村の蹴ったボールが、まっすぐ吸い込まれるようにゴールに向かって行って…
入った。
「ゴール!!」
「うわ…木村君すごいね?」
美穂がニコニコして聞いてきた。
美穂は癒し系なのに、鋭いところがある。
ひょっとしたら私と木村のことも知っているのかも…
考えすぎか。
「すごいね!」
そういいながら私たちはグラウンドを後にした。
「お前、彼女が見てたから調子良かったんじゃね?」
「う、うるせーよ!まだ付き合ってねーし!」
「返事もらってねーのー?」
「だまれこのやろー!」
後ろでそんな会話が聞こえたような気がした。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。