今思えばちゃっちい指輪だったと思うんだ。サイズがわからないからって、フリーサイズだったね。 それでも私にとっては、ダイヤモンドより綺麗で輝いて見えて、震える指でそこに収めたあなたを、とてもとても愛おしいと思ったんだ。 高級車での迎えはなかったけど、かわりにいつも影踏みをしていたよね。車よりずっと近くであなたを見れていたことを、笑えていたことを、今でも忘れていないよ。 何を幸せとするかはわからない。けどね、私はすっごく幸せだったよ。