「薊を止めるとは言うが…具体的な検討はついているのか?今後の行動について。」
朔と蒼は、森のなかを歩く。蒼は刀、朔は矛を持っている。
「僕は、今きっと薊を止められない。薊ほどの、若しくはそれ以上の決意を持っていないから。だからあの時、止めなかった。いや、止められなかった。
でも、人間を無差別に殺していいだなんては思っていない。…ただ、其れを説明出来ない。それが何か理解出来たとき、僕は薊を止められる。…何故だか確証出来る。」
「つまりは、その理由を探すと。
…どうするんだ?」
人間である蒼にとって人間を殺さない何てのは、常識というよりも当たり前のこの世の摂理だから、理解できない節があるはずだ。しかし、敢えて其処を問い詰めるような真似はしない。それは、朔が鬼だと、人間ではないと理解しているから。考えなんて、違っていて当たり前だから。朔はちょっと考えるようにしてから、はっきりと告げる。「人間と関わりたい。」
あまりにも真っ直ぐな言葉だった。