右手の中指の中程、人差し指と重なるところに 新しい黒子ができているのを偶然見つけた。 出しっぱなしだった水道の水をきゅっと止めて しげしげと見やっては、この黒子を 私以外に初めて見つけるひとは誰なんだろうと 寸暇考えて、ぱっと浮かんだのは きっととっくの昔に惚れてしまった男だった。