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鬼ノ業~本章(拾)

あまりにも単刀直入だった。信乃は、思考が停止しているように見えた。
「おい、朔…。」
蒼の諫める声が、肯定を意味してしまう。
「申し遅れました。私は朔というものです。
偶然、凜と出会い、凜のお父上、つまり貴女の夫殿が殺害されている状況に遭遇致した所存です。」
朔の自己紹介は意味がない。相手の耳には届いていないのだから。
「此方は蒼。私の旧友です。」
「なんなんだい…あんた達は!?適当なこと言ってんじゃないよ!」
「母ちゃん‼」
制止する凜。
「やめてよ、母ちゃん。お兄ちゃん達の言うことは本当なんだ…父ちゃん、死んじゃったんだよ!」
「凜まで何言ってんだい!?」
凜は目を赤くして叫ぶ。
「来て!」
母の手を引いて駆ける。凜の表情は真剣だ。
朔と蒼は一瞬視線を交わし、直ぐに追いかける。
信乃は声にならない悲鳴を発した。戦慄く手が痛ましい。
「あんた…ねえ、あんた…。」
恐れから怒りの声音になる。
「なんでだい…なんであんたがこんな目にあわないといけないのさ!?」
この事実を受け入れられない様子の信乃。悲しみの色は窺えない。その分を感じられる余裕がまだ無いのだ。

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    昨日あげわすれました。そしてどこで切ればいいものか迷ったあげく長くなり、読みにくいと云う点で申し訳ないです。
    もう一話載せられたらと思います。
    なにか気になることや質問があればレスを頂きたいです。たまに矛盾していたりすることがあるので…(^^;;