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無題

ぱしゃん と落ちた泉に沈んで
熱のない陽射しを浴びている

掬い手がいつまでも現れぬのは
私がそれを望まぬからなのに

ごぽり と離れていく呼気への
未練を断ち切れずにいる

捕まえようと伸ばした指先は
願うほどには上がらず

遠く隔った生の手段に
漸く諦めのついた頃

私の身体は先のほうから
ゆるり ゆるり と解けていった

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