ぱしゃん と落ちた泉に沈んで 熱のない陽射しを浴びている 掬い手がいつまでも現れぬのは 私がそれを望まぬからなのに ごぽり と離れていく呼気への 未練を断ち切れずにいる 捕まえようと伸ばした指先は 願うほどには上がらず 遠く隔った生の手段に 漸く諦めのついた頃 私の身体は先のほうから ゆるり ゆるり と解けていった