「なあ、凜?」
「なあに、蒼兄?」
凜がこう呼び始めたのはちょっと前。
『そういえば…お兄ちゃん達、お名前は?』
『僕が朔。此方が蒼だよ。名乗らないでいてごめん。』
『じゃあ、朔兄ちゃんと蒼兄ちゃんだね!』
先程とは違う感情が朔の胸を締め付ける。朔は、兄だった。今でも兄なのに、不意に忘れそうになる。そして、凜に応えてあげられない。
『いや、蒼兄でいい。』
凜は不思議そうに蒼の黎い(くろい)眼を見つめ、無邪気に笑った。
そして冒頭に戻る。
凛、いい子だなぁ…
このお話、不思議に小さくまとまっていて(もちろんいい意味で)、ほっこりして好きです。
あ、お節介かも知れないけど一つだけ。
「凛がこう呼び…」の行の前か後、それとも前後ともに一つ、改行を入れたら少し読みやすいかな、なんて思いました。
俺が改行好きなのを押し付けるようで悪いけど(笑)、時の隙間を感じさせるように。
シェアさん>>
感想、アドバイスを、どうもありがとうございます!
押し付けるだなんてそんな…とてもありがたいです。一人で黙々とやっているだけで、読んでいる人がどう感じているか、中々分からないもので。貴重なご意見として、是非参考にさせていただきます。
初めてそういったレスを頂いたので、なんだか嬉しい私でした。