「なあ、凜?」
「なあに、蒼兄?」
「俺達を何処に連れていってくれるんだ?」
「大おばばの処!」
朔と蒼は顔を見合わせた。
大おばばと云うことは――
「村の一番偉い人?」
朔が尋ねると、楽しそうに首を振る。
「ううん、一番偉いのは'そんちょうさん'だよ。」
朔は困ったように微笑む。
「どんな人?」
「んー…なんでも知っているんだよ!」
凜はとても楽しそうだ。つられて朔も笑みを溢す。その歪みに気付く由もない。
畑が見える。自分達で育てているのだろう 野菜とおぼしき集まりは、まだ芽を出したばかりのようだった。
「大おばばー‼大おばば、旅人さん!」
そうして呼ばれ出てきたのは、'大おばば'と呼ぶにはあまりにも若く、可憐と云うよりかは幾分か妖艶な女性だった。
追伸≫
区切る部分をもう少し考えた方が良かったかなと少々反省です。
'大おばば'という表現では想像しにくいかもしれないですが、大変美人で顔立ちの整った御姉様です。次回、'大おばば'さんについて、少し解説を含めた形で書いていきます。