一歩を踏み出すときは、勇気がいる。 だから、後ろを振り返って、大切な人の顔を思い出す。 こんな状態じゃ会えないと、前を向く。 いつのまにか、新しい春が来てしまった。 大切な人が増え、わたしもずいぶんと大きくなって。 前を見て、歩んだ足跡をながめて、深呼吸をして。 もうここにはこれない。 また、一歩。大きめに出よう。 ここちよいかぜにふかれながら。 もう振り返らないと決心した。 涙をながしながら、さようなら。 二千百九十歩。