とんとんとローファーを鳴らして 飛び出したのは、あの瞬間だけ 後ろを振り返ったら ないものねだりがふりかかって 存外悪くなかったなって思っていた スタートダッシュはクラウチングで 寝ても覚めても朝はくる もう戻れないなんて思うほど 愛おしくなる手のひらが 誰のものにもならないで 机の上で計算式を書いている 飛び出したのは、あの瞬間だけ 眠れない夜中の幕引きは いつも誰かのものになる