「藤姐、おいくつですか。」
「ちょ、朔、おまっ…!」
藤は一瞬真顔になったが、堪えきれずに笑った。少なからず、蒼にはそう見えた。
「朔、アンタ面白いね。好きだ。
良い、教えよう。
アタシは二十だ。」
「え!?」
反応したのは朔じゃない。蒼だ。
すると藤は、蒼に顔を向ける。
「なんだい?もっと老けて見えるっていうのかィ?えぇ?」
「いや、そんなことは…!ただ、俺と同い年だと…。」
藤は笑う。
「冗談だ。敬語もいらん。朔もな。」
胸を撫で下ろす蒼を横に、朔が口を開く。
「藤姐、そういえば、何故僕達を残したんだ?」
追伸≫
蒼の焦ったような台詞や、藤姐さんの一瞬の真顔の意味をとって頂けたでしょうか。
女性に年齢を聞くだなんて、なんて恐れ知らずなのでしょう。蒼兄は、一般常識というか、暗黙の了解をわかっていますよね。
つまりはそういう事でした。