顔を上げたら 隣に座っていた眼鏡の男の子が おじいさんになっていた 文字の世界で漂っていただけなのに 浦島太郎、亀は出てこなかったけど 窓の外で光の欠片が闇に浮かんだ 重い腰を上げたら 柔らかいソファがあたしの形を徐々に失って何事もなかったような顔をするんだ 今日はもうおしまいね 続きは自分で探すからさ しおりを抱いて待っててよね