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鬼ノ業~本章(弐拾弐)

藤は朔を見据える。
「早くこの村から出ていくんだ。
その説明のために残した。」
朔と蒼は無言だ。
「この村では、旅人が消える。」
「どういう事?」
朔の目は真剣だ。藤は言う。
「鬼は人間に、人間は鬼に喰われるからねェ。」
「喰われるって――」
「正しく言うのなら、殺される、だな。…お互いにお互いの首を狙い合ってンのさァ。」
事もなさげに言うが、思っていた以上にこの村の治安は悪そうだった。
「だから行くんだね。もう直、色んな輩が訪問してくるよ。…アンタたちに罪を被せるために。」
先に口を開いたのは蒼だ。
「俺達は別に此処に留まる必要も義理もない。出るのが得策だと思うが…。」
「いや、残ろう。」
その言葉に、呆れたように微笑った。
「朔ならそう言うと思っていたよ。」

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