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「………え?」

いつの間にかもたれかかってしまっていたらしい頭を、高価な宝石を扱うかのような手つきで柔らかく撫でられて、私は目を覚ました。やさしい午後だ。

ごめん、起こしてしまったか。私の頭を撫でる手はそのままに、彼は笑った。いいの、そろそろおやつの時間だから。首を振りつつお腹を鳴らした私に、彼はまた笑う。忙しいやつだな、って。

それはきっと真珠のような愛だった。

互いの薬指にはまる指輪を眺めながら、私は思う。白くてまるっこくて、特別きらめいているわけではないけれど、いつも穏やかな光を帯びているような。

私と彼とが育んできたのは、これからも育んでいくのは、そういう愛だった。

「私、あなたと結婚してよかった。」
「僕も、君と結婚してよかった。だって、」



―――結婚は『2番目』に好きな人とした方が幸せになれるって、よく聞くもんな。

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  • 真珠の爪先さんの言葉、上手く言えないのですが好きです。
    長いこと浸り続けていたい心地良さを感じます。
    眩しくて派手なキラキラではなくて、内側に優しくて強いひかりのようなものがあって綺麗だな、と思います。

  • はんなりボンバーさん、もったいないお言葉をありがとうございます。好きで書いている文を褒めていただくのは、とても嬉しいものですね。いつか芯からしなやかな言葉を生めるよう、素敵な女性にならねば。