頬が熱を持った理由は、 貴方と目が合ったからだけじゃない。 視線の先を追っても、 貴方の世界にわたしはきっと居ないから、 これで終わりにするの。 待ってなんて、 裾を引けるような距離に居ないで。 追いかけたくなっても、 睫毛の先が少し濡れても、 それでもこの先に貴方はきっと居ないから、 さよならを摘まんで、 言葉の端々に色が付くような、 この想いに手を振るわたしに、 どうか貴方は背を向けて歩いて。