朝が来ないよう目を閉じていたのに色の白いおねえさんが、「子育ては本能だから現代社会ではいろいろ不都合が生じてしまう。幸せとは、閉じた世界で生きること」と、鰯の酢漬けを食べながら言うのでわたしは布団から這いずっておねえさんに、「わたしには母はいない」と言ってから白ワインの瓶を片付け、白猫に餌をやってドアを開けた。 新入社員が桜を浴びて笑っている。 スペイン料理が食べたいが金はなく悲しすぎる。 そんなことを考えていたら雨。