豪雨がフェリーを殴り叩きつけるように襲う。そして鳴り止むことのない雷。 バアン! 「わあっ」 航海部屋の窓ガラスのすぐ手前に雷が落ち、チョビひげの航海士がひっくり返った。 フェリーは大波に飲まれて体制を大きく崩す。 そのまま海へとしずんでいった・・・。 暖かい日差しを感じてうっすらと青髪の少年は目を開ける。 砂浜だった。運良くどこかの島に流れついたらしい。 「いてて」 少し擦りむいたひじを抑えて立ち上がる。辺りは 波の音以外何も聞こえなかった。