少女はむくっと立ち上がった。
意識を失う前と同じ景色が続いていた。
きっと寝てしまったのだろう。
最近は寝ることが多い......気がする、と少女は思った。
何故気がするかというと少女は記憶が始まって少ししか経っていないからである。
あくまで気がするだけ、だが少女は謎の確信を持っていた。
しばらく、数光年歩いた気がした頃、
目の前に池が広がっていた。
池が見える頃には、もうミコトの灯りは届かなくなっていて辺りは薄暗かった。
蒼蛍が飛び交う池には、無数の蓮が浮かんでいた。
まるで片方が居ないと直ぐに崩れてしまう、
そんな儚い美しさをその蓮は持っていた。
少女はずっとそれを眺めていた。