「蒼、足!」 跳ぶ蒼の背に背をぶつける。 「姐さんは?」 「大丈夫。怪我は?」 「無し。――近距離戦に持ち込む。」 「平気?」 まるでしゃぼん玉を追いかける子供のよう。不適に笑うと、 「武術をたたきこまれてるんでねぇ…反撃だ。」 互いに体重を背に込め、反動で前に駆ける。朔は東の雑木林、蒼は西の廃屋を目指して。