左腕を切り刻む彼女 ひんやりとしたシーツの上に愛用の剃刀 安全サックを外すのが 一等むつかしいの 暗闇に目を凝らす彼女 ひんやりとしたシーツの上に何度目の寝返り 気のやり方なんて とうの昔に忘れてしまった 月影に照らされた彼女 ひんやりとしたシーツの上に涙の凍る頃 漸く手に入れた赤い安寧を 今夜も懲りずに潰してしまった