まず一番に向かったのは屯所だ。資料を見ていくと、幾つもの、鬼による人間への理不尽極まりない行為がだいぶ目についた。 「酷いな…。」 思わず漏らす蒼。その資料は、反抗した村民を取り押さえた――もとい、証拠のない疑いをかけられた村民を虐殺したという内容。 それを覗き込む藤は、表情がなかった。 「何故こんなことを?」 愚問だ。そんなこと、朔は厭と云うほど知っている。返ってくるであろう言葉も、容易に推測できた。 しかし、聞かずにはいられなかった。