ふたつの鍵は夜をさいて そっと開かれた黒い緞帳 くぐもった音を立てるオルゴールは 箱のなかで永遠に踊り続ける かつては天使だったきみを 舞台へと手招いたのは このぼくだね きみが正しさを知りつくしているなら ぼくは嘘の吐き方だけ教えてあげる 滑り落ちた桜色の着物は 後悔のかたちをなして足元に散る もう二度と咲けやしないのに どうしてこんなにも美しいんだろう