(つまらない...)
今年、大学に入学した。
高校とは違って好きなことが
好きなように勉強できると思って
楽しみにしていた。
でも...
私には「好きなこと」がなかった。
今まで、ただ何となく
やらなくてはならなかったから
勉強していた。
何となくで今まで過ごしてきた。
それに今更気づいた。
もう何も考えず、とぼとぼと
家路を辿っていた。
あと一つ交差点をまがれば家、というところまできた。
何やらやけに目立つ
一軒家が目に入った。
『骨董屋』
思わず吹き出してしまった。
何の捻りもない、単純な店名だ。
私は引き寄せられるようにその店に入っていった。