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-季節 Ⅲ-

(つまらない...)
今年、大学に入学した。
高校とは違って好きなことが
好きなように勉強できると思って
楽しみにしていた。
でも...
私には「好きなこと」がなかった。
今まで、ただ何となく
やらなくてはならなかったから
勉強していた。
何となくで今まで過ごしてきた。
それに今更気づいた。

もう何も考えず、とぼとぼと
家路を辿っていた。

あと一つ交差点をまがれば家、というところまできた。
何やらやけに目立つ
一軒家が目に入った。

『骨董屋』

思わず吹き出してしまった。
何の捻りもない、単純な店名だ。

私は引き寄せられるようにその店に入っていった。

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