「何かあったんですか?...ここで」
唐突に聞いてみた。
「えっ?!...いや別に....その.......えっと...」
完全に焦っている。絶対何かあったんだ。
フッと、彼が笑った。その顔には、気のせいかもしれないけど''切なさ''があった。
「鋭いね、白帆さん」
苦笑いする桜尾さん。やっぱり、何かあったんだ。
「まだ君のことあまり知らないし、君も僕のことあまり知らないだろう?また、そのうち話すよ」
さりげなく拒絶された。
聞いてはいけないことだったのか。
「わかりました。そうですね」
彼は安心したように笑い、奥へ入っていった。
改めて店内を見渡してみる。
骨董 というよりは 雑貨 という感じのものがたくさん置いてある。