味気ないガムに絶望をやつして きみはそれをため息でふくらませた ぶらさがる鎖と南京錠 錆びて壊れた鉄のフェンス ぼくは悲しみの輪郭をなぞり きみを苦しめた世界にきみを留め置こうとする だってどちらが幸せとも限らない この世界のどこにも生きた死者はいない ねえ 揃えた革靴でサッカーをしよう 封筒と便箋でトランプをしよう そう誘ってはみたけれど きみは困ったように笑い ゲームを降りていった