何にも手にしていなけりゃ 傷付かずに済むのサ 笑った貴方は そう言って 古びた煙管を咥え込んだ 支える指に滲む慈しみと 煙追う瞳の潤み加減は 到底何も持たぬ人のそれじゃあ なかった 出来もしねェこと 偉そうに言ってんじゃねェや 吐き捨てた私に貴方は笑って そうだナァ、なんて 掴み所のない目線だけくれて 貴方は何時だって 私が抱え込んでしまいたいものを 上手に仕舞い込んじまうのサ