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無題

何にも手にしていなけりゃ
傷付かずに済むのサ

笑った貴方は そう言って
古びた煙管を咥え込んだ

支える指に滲む慈しみと
煙追う瞳の潤み加減は
到底何も持たぬ人のそれじゃあ なかった

出来もしねェこと
偉そうに言ってんじゃねェや

吐き捨てた私に貴方は笑って
そうだナァ、なんて
掴み所のない目線だけくれて
貴方は何時だって
私が抱え込んでしまいたいものを
上手に仕舞い込んじまうのサ

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