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夜の街を歩くのはたいへん愉快でございます。大通りから少し入れば楽しい夢が転がり回ってあたり一面散らばっているらしいです。それを踏みつけないようにそっと右足だけ踏み入れてみたけれど、タバコの匂いにぞくりとしました。気だるさにまみれた女の目が私よりずっと遠くを見つめております。ああ、甘い頭痛がします。曖昧なものに支配された昼を取り返すかのように大人たちは酒を浴びるのです。ガラスケースの中の美しい洋菓子を見つめるようにうっとりしながらも自分の若さを愛おしむのです。おっと、そろそろおいとましなければ。青い帽子に捕まる前に。

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