不意に掴んだ袖口が濡れていたことを、気づいていないフリをした。ワケなんてひとつしかないのに。 隣にいるのがボクでいいのか。全く釣り合っていない天秤に悲しくなる日々。雲一つない晴れ空のような笑顔に、曇天のボク、ほらね、きっとボクじゃない。ボクじゃないと言わせてくれよ。