緩い坂道を下る
ぼくはそこがどんな坂なのか知っている
どれくらいのスピードを出して
どのあたりでブレーキをかけたらいいのか
ぜんぶぜんぶ知っている
崖下には青い世界
水面に映る白い雲が
きみをそっと受け入れていく
地上で息をするのがへたくそなきみは
イルカみたいにするすると泳ぐきみは
水中にうまれたかったって言う
どんなにきれいに潜ることができたって
きみの涙まで隠してしまう海なんか
ぼくは大嫌いだよ
緩い坂道を下る
ぼくはそこがどんな坂なのか知っている
だけどきみは知らなかった
どれくらいのスピードを出して
どのあたりでブレーキをかけたらいいのかを