気がつくとそこは白かった。 見渡す限り白かった。 天井も壁も地面も無くて、 ただ果てしなく白かった。 手を伸ばすと指先から、 輪郭が曖昧になっていた。 柔らかくて心地よくて、 温かい涙が頬をつたった。 そうして僕は「白」に溶けた。