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どしゃぶりのバス停で 〜Episode of Yurika〜 6

「昨日のSOL、聴いた?」
「聴いたよ!」
「校長のあのジョーク、まじウケたんだけど!夜中に爆笑しちゃったよ」
「まじかあ…私的に、昨日の教頭のキレキレのツッコミがツボだったなぁ」
「ゆりは本当教頭好きだよね、あはは」
「本当にツボなんだよね、言うことが」
木村と話すのはとても楽しい。大好きなラジオ番組も一緒だということが発覚して、毎日その話をしてる。
毎回の授業の合間の休み時間も、私が木村の机にいくか、木村が私の机にやって来て、おしゃべりをする。いくらしゃべっても話し足りない。
前までは男子がはやしたてたりしていたけれど、最近は見慣れた教室の光景になっているのだろうな。
「おい」
「なに?」
「あれ見て」
「…おっ?」
転校生の伊藤君が、消しゴムを美穂に差し出しながら、なにやら会話をしている。
「いい感じじゃね?あれ」
「だな」
もし美穂が伊藤君と付き合い始めたら、ダブルデートなんてどうだろう。そんな気楽なことを考えていた。その時は。

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