小さい頃からよくいじめられていた。
僕が耳にピアスをしているから。
チャラ男チャラ男!と罵ってくる。
別にチャラい訳ではない。
物心ついたときからこのピアスをつけていた。
自分の意思ではなく勝手につけられた。
そして、決して外すなと言われた。
父に。
「なぁ、父さん。このピアスなんなの?」
夕御飯のとき、思いきって父に聞いてみた。
明日から僕は高校生だ。
せっかくの高校でまたいじめられないように、理由をしっかりと知りたい。
父の顔をじっと見つめて待っていると、父はため息をついてからこう言った。
「洋汰、そんなこと知ってどうする?知ったって何の得もないぞ?」
「知りたいんだ!知らなきゃまたいじめられるんだよ!!」
そう言うと父は目を見開いて驚いた。
あっ、いじめられてるって言ってないんだった。
うちは父子家庭だ。
だからか、父はすごく僕に対して甘い。
いじめられてるなんて知ったら学校に乗り込んでくるだろうと思ったから言わなかった。
「ほう。いじめられてたのか…そうか。だったら言うしかないか……」
父が悩んでいる。
これは至って珍しいことだ。
うちの父、枝斎 朱治郎は非常に頭が切れる。
だから、悩むなんて一切ない。
何事もズバッと言う。
そこがたまに傷だが。
「実はな…お前は普通の人間じゃないんだ」
「……えっ……?」
“普通の人間じゃない”………?!
To be continued……