「おかえり。洋汰」
玄関の戸を開けたとたんに父に言われた。
「…ただいま……」
(……ん?なんで父さんがいるんだ?)
「父さん……仕事は…?」
そう聞くと父はこう答えた。
「あぁ、休んだよ」
「……?!…なんで?!」
真面目な父がなんの理由も無しに会社を休むはずがない。
「……お前のためだ。ちゃんと昨日の続き、説明しないとな」
「……」
(……もういいよ!)
仕事を休んでまでしなくていいのに。
「じゃあ、話の続きといこうか」
もう、いいのに……。
父は高位の吸血鬼一家に生まれた。
本当なら同じ吸血鬼と結婚するはずだったのだが、運命的にある人間の女性に出会ってしまい家を抜け出しその女性と結ばれたという。
「彼女との間に生まれた子供がお前だ」
子供が生まれ幸せの絶頂だった父と母。
そんな二人にある災難が襲いかかる。
To be continued……