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×烏の微笑み×

(ああ。やっと、終わった……)
一日目の授業が終了。
なかなか長かった……。
若干いじめられてた気がしたが、まぁどうってことない“嫌がらせ”だった。

(僕の予想通り、荒岳はクラスの権力を握ったよ。初日から)
やっぱり中身は子供だった。見た目はがっしりした体格のいい感じなのに中身がアレではモテないだろう。(なんて思ってるのばれたら殴られるなぁ)

そんなことを思いながら帰り道を歩いていたが、ふと、足が止まった。
(誰かつけてきてる……?)
そんな気がしたので後ろを振り向くも誰もいなかった。
(………気のせい…か)
嫌な予感がする。
理由はないが、なんとなくそんな気がしている……。
そのまま、駅まで走っていった。
駅につくとそんな気はしなくなっていた。

「あっれぇ??あれ、枝斎くんじゃねぇ??」

汚い声が突然耳に入ってきた。
荒岳の仲間か。
波瑠、だったかな。

「へぇぇー、まさか一緒の電車とはなぁー」

わざとらしい………
やっぱりただの付き人だ。
本当のいじめっ子はあんなことしない。(なに語ってんだろ、僕)でも、実際そうなのだ。荒岳も影から言ったりするだけであんな風に直接的には言わない。(波瑠の方が幼稚なのか)

なんてことを思いながら鞄から本を取り出そうとすると、

「ハハッ!ヤンキーが本読んでやがる!!」

“ヤンキー”……ねぇ。

「……フッ…」

つい吹き出してしまった。(ヤンキーなんて……ねぇ笑笑)
不良、というならまだ許せた。ふぅん、で終わった。でも、ヤンキーってひさびさに聞いたなぁ………

「………?お前今笑ったな?!何に笑ってんだよ!」

波瑠があせっている。ん?困ってんのか?状況が読めなくて??それこそ笑える。(僕って実は腹黒なのかも)

「いや…別に」

極力笑いを抑えて平常心で言ってみた。が、やっぱり駄目だった。(だってさぁ…笑)

波瑠は何が何だかわからず、諦めたようだ。
すねた子供のように口を尖らせている。
波瑠の方がやっぱり子供のようだ。

そうやって波瑠を観察しているうちに家の最寄り駅に着いた。

To be continued…………

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