第4章『王の現人神と逆らい無き王国』 「此処が......ネペジ......何だか違う匂いがするわ。」 少女は鼻を二回すんすんとさせてから歩き始めた。 少女の頭は妙に清々しかった、無駄な何かが削ぎ落とされ、なかなか心地よい程度にまっさらだった。 ネペジは朱色を基調とした町並みが続き、少女がこれまで見てきたものとは一線を画していた。(と言っても、少女がこれまで見てきた街の数なんてたかが知れてるが。) 少女は本能の赴くままに歩き続けた。 そう、本能の赴くままに......。