橙色の灯りを頼りに、少年は一人で洋館をさまよっていました
3階の最奥の大部屋を目指して
その部屋は、予言を与える―すなわち幽霊が出ると言われていたのです
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そして、辿り着いたその3階には、確かに大扉がありました
すぅっ
と息を吸い込んで、
そのまま息を止めて、
大扉を、押し開けました
近くの燭台に灯りを移すと、だだっ広い部屋の至るところに水晶があしらわれているのが微かに見えるようになりました
「ユーリ」
ふと、幼さの残るような少年の声がしました
ユーリはぞくりとして、右手を帯に挟んだ短刀の柄に掛けました
刹那、部屋の中央辺りからの視線を感じ―
ユーリも正面をひた、と見据えると―
飴色の二つの瞳と、視線が交錯しました
けれども、それは、よく知る面影を映した双眸だったのでした