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短冊

 織姫は、中国では織女(しょくじょ)といい、ざっくりまとめてしまえば機織りをつかさどる精霊のようなものである。であるからして短冊に書く願い事は、裁縫が上手になりたい、とか、欲張っても、習い事が上達するように、ぐらいにとどめるべきで、ウケねらいか本気か知らんが、アイドルになりたい、とか、グーグルに入社したい、なんて書くのはもってのほかなのである。
 のだが、実は書いたことが実現してしまう短冊があって(一体誰がかなえてくれるのかは知らないが)、これは色、サイズ、紙質で決まるものだから誰でもチャンスはあるわけだが、当然そんな短冊の存在など誰も知らないし、規格など知られることはないからそんな短冊を作ってしまう確率など天文学的数字(死語かな)分の一だし、そこに途方もない願い事を書く確率もさらに低いわけだからおかしなことにはならない。
 って思うでしょ。実は実は実は、ここ数十年のテクノロジーの発展、目まぐるしく変化する世界情勢、すべてその短冊のせいなんですよ。

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