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七夕

 体育の苦手な女の子がいました。苦手なので、体育が好きになれませんでした。
 体育の苦手な女の子はたいへん美しかったので、天の神様に気に入られ、抜群の運動神経を授けられました。
 ですが、体育は苦手なままでした。女の子は、たとえばバスケなんかのときのクラスのリーダー格の子のぐいぐいくる感じ、それをサポートするとりまきのみごとな連携に圧倒されてしまい、実力を発揮できないのです。
 不憫に思った天の神様は、もう体育をしなくてすむよう、天に呼び寄せました。
 女の子は天の神様のもとで、機織りの技術を身につけ、機織りマスターとなり、やがて織姫と呼ばれるようになりました。
 織姫の仕事は忙しいので、年に一度、誕生日の七月七日しか地上に戻れないそうです。これが七夕の起源とされ、ここから様々なエピソードが派生し、現在に至ります。

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