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初めまして、愛してる

唇を奪うやわらかな熱気が
どうかきみのものでありますように
ひどく蒸し暑い縁日の
はかない夢などでありませんように

へたくそに下駄を鳴らしながら
150年前のきみもここに来た
ひらひらと揺れる紅色綿絽を
尾びれみたいだって笑ったの

底床にちらつくまばゆい影
水面をなぜる生温い爪
薄く延ばした命だとしても
そばで呼吸していたかった

ずっと知っていたんだよ
きみがぼくを掬ってくれたこと
ぼくはきみを救えなかったこと
150年後にまたここで出会うこと

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