私の大切な出会いは、中学校時代の部活の顧問との出会いです。この先生には、今の自分を作ってもらったと言っても過言ではありません。
中2の時、私は部活の先輩と仲違いして「絶対に見返してやる!」と思い、部活を変えるために部長になり、はりきって後輩を指導しようとしながらも上手くいかず、いつも周りに当たり散らしては呆れられたり困らせたりしていました。ある日、私があまりにも厳しく後輩に当たっていたので同級生に注意され、そのままけんかになってしまいました。騒ぎを聞いてやってきた先生に、怒られるのを覚悟で今までのことと自分の考え方を全部話しました。すると先生は怒るのではなく諭すように「あなたの気持ちも分かるけど、自分の物差しと他人の物差しは違うものだから、無理矢理合わせようとしてはいけないよ」と言われました。そこで私は初めて、部員それぞれの部活でやりたいこと、何のために部活に入ったのか、部活をどうしたいのかということを全く考えずに自分のことばかりで突っ走っていたことに気づきました。そして先生に部員の事情を教えていただいたり、部員みんなに謝って話を聞いたりする中で、やっと自分のしてきたことを恥ずかしく思え、人をまとめるには一人一人としっかり向き合わなければならないことを学びました。高校に入って何かのリーダーになることはなかったけれど、クラスや部活全体に目を向け、積極的にいろいろな人に話を聞いて自分にできることを考えるようになって、「いつも冷静に周りを見ているよね」と評価をもらったり、話を聞いた人からありがとうと言ってもらえるようになりました。私は元々人とコミュニケーションを取るのが苦手なので、もし先生に言ってもらったことが出来なかったら、もし先生と出会えてなかったら、今も独りよがりで孤立していたと思います。
今でも先生とはLINEをしていて、その度に元気が出る言葉やアドバイスをもらえます。私も先生のように、厳しい時は怒鳴ったりせず淡々と、優しい時はお世辞ではなくて目の前の事実で平等に誉めたり励ましたりできるような人間になりたいです。先生との出会いは、私の人生を変えた出会いです。