「羽が生えたら迎えに行くね」
嘘みたいな言葉だった
だってわたしは水面を歩けはしないし
あなたはテレパシーなんてつかえない
溺れたら、ただ沈んで息絶えるの
あなたに助けても届くはずなく
だから、ねえ
君の背中に羽なんて生えてこないのずっと
迎えになんてこないのきっと
「わたしは羽があるからいつでも飛べるの、迎えなんて必要ないわ」
嘘だけの言葉だった
立ち去るその背中はゆらゆら揺れて
なんだか羽が生えてるみたい
ねえ、羽ならもう生えてるじゃない
ばかね、さようなら