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反対側のホームには
花柄の浴衣を まとった女の子が
大きな花のかんざしを ゆっくりさしていた



「今日はお祭り」「彼と一緒」「いつメンで参上」
そんな言葉が SNSで飛び交うわ
お団子を作ってみたら 少しは楽しくなるのかなって
思ってみた私がバカだった

だってだってだってだって だって
少しは可愛くなった気分を味わいたいの
お世辞じゃなくて 自分で納得できるように

反対側のホームには
花柄の巾着を 持つ反対の手を
大きな手でぎゅっと 握る男の子がいた


「花火すごい」「来て良かった」「忘れられないよ」
そして写真を 送り合うの
ベランダから見えるかな ちょっと期待しても
結局は見えないってわかっちゃった

やっぱやっぱやっぱやっぱ やっぱ
その通りの結果だって予想は当たってました
私なんかが1人で みたって悲しいだけだし

反対の予想が
花火が消える その瞬間よりも
大きく崩れてく そんな私の心はやだ


I don't have any chances?
No. That can't be right.
But I must say "I don't know where there is a chance."



もうもうもうもう もう
わかってたんだよ 知ってたんだよ
私が夏を 楽しめないことなんか

正面を見てくれたあの子さえ
反対側のホームに
花柄のリュックを 持った女の子が
大きな雫を 流してるなんて

とてもじゃないけど気づかないよね
だって
大きな花火で 影になってるんだから

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