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にじいろのさかな

おとなになりたいという 泡をたべている

ぼくらは幻に期待をして にじいろのさかなを追いかける、夏やすみの小学生

手をあらって 汗だくになったからだが クーラーの涼しい風でひえて
鼻さきをなでる おいしい夕ごはんのにおいにうっとりしながら
じまん気に 今日の旅のほうこくをする

ぼくらは、帰る家があることも忘れてあそんでいられる 無垢とじゆうに、いつでも愛されている幼いこども

おとなになりたいという 泡をたべている
にじいろのさかなは見つからない

ぼくらは冒険家で それでも前に進みたくて
ひとりでかならず見つけてやるんだ って
夢中になってけがをしたことや
悔しくってわんわん泣いたことだって
ぜんぶ愛してくれてることさえも 忘れていたってだきしめてくれるひとの腕のなかへ帰る
涼しい風とぬくい安心をたべてねむる

おとなになりたいという 泡をたべている
ぼくらやあなたは死ぬまで、ただの 愛されるひと

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