0

ひとみ

「だいじょうぶだ」って両手を握ってくれるから、それはもうキラキラしている。「大好きだ」
君は目を細めて笑う。
「クジラのさ、潮吹きに一回ぐらいは乗ってみたいね」手を空までうんと伸ばし、からっ風に髪をさらわれる。
振り返った君の眩しさは、太陽のせいかそれとも君のせいか。
「目に見えるものはやわらかだといいね」

水彩画だった、景色はいつでも。少しずつ色を重ねて、鮮やかになるように。
どんどん色付いていく。

ただ、沈みそうな夜には泣きたいだけ泣こう。
ぽたぽた濡らす涙は、透明だ。
色を薄めていく、ゆらゆらと。
またもう一回、色をつけて、さっきよりもやわらかな色味になる。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。