0

くろねこのぬいぐるみ

あなたは何でも知ってる。
あたしがぱぱとサヨナラした時も、
ママの涙の匂いがする背中を見つめてた時も、
映画館にあなたを置いてきた時も、
散歩中に落とした時も、
おねしょした時も、
熱を出した時も、
ランドセルを初めて背負った時も、
初めて親友が出来た時も、
好きな人が出来た時も、
初めて仲間との別れを経験した時も、
新しい環境になったときも、
初めてのテストも、部活も、
泣きながら眠った日も、受験中も、
ベットで勉強しながら寝落ちした日も、
高校が決まった時も、
新しい制服も、友達も、
バイトで疲れて昼寝したときも、
あなたはずっと見てくれていた。
お母さんが知らないこともたくさん。
たくさんの「も」があなたと私の歴史。
大きくなるにつれて、あなたを持ち歩く事は無くなった。
でもね、いつだってあなたはあたしの味方だった。
ひとり暮らしにだって、結婚した新居だって、
あなたを連れていく気でいる。
そしたら、いつか、私の命が尽きる時、自分の子供にあなたを渡したい。
あなたと私の話をして、どうか仲良くねと。

それまではあたしの味方でいてください。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。