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晩夏

知らぬ間に去っていく夏の中に
一つだけ浮かぶ記憶の欠片

君と見に行った初めての花火大会
浴衣は見れなかったけど
二人でどこか行くなんて無かったから
君を見る度に緊張が走った

都会の駅で電車の乗り換え間違ったことも
人混みの中川沿いの通り歩いたことも
買った飲み物がぬるかったことも
脳裏に鮮やかに焦げ付いているよ

アニメや漫画みたいな気取ったことなんて
できなかったけど空に描かれる輝きを
閉じ込めたあの時間は二人の記憶だよね

これから先どんな綺麗な花火見たって
あの時間より輝くことはないだろうな

来年もまた一緒に行ってくれますか

僕はただ隣で笑った君が見たいんです

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