据えられた瞳の奥の
微かに息衝く愛情を
今ならわけなく見付けられる
抱いた腕の中の
絶対零度の絶望を
今ならわけなく汲み取れる
今ならわけなく
複雑怪奇な貴方の人徳を
敬うことができるのに
凍える貴方は僕を置いて
去って行ってしまった きっと
愛し抜いた彼女の元へ
清浄なる眞白の樹の下
其処では きっと
貴方の瞳は和やかで
其処では きっと
貴方は温もりを取り戻す
代わって 僕は
少しだけ影を纏おう
代わって 僕は
少しだけ歪んでみせよう
恐るるには足りないさ
受け継いだ貴方の欠片は
本当は何時だって 直向きで温かい