蝉の音が去り静かな風が小さな変化を告げる 抜けきらない余韻が前髪を揺らすと 陽炎に揺れる夏の記憶をそっと辿る 君がただの友達でなくなったのは こんな曖昧な季節だった ありもしない形をひたすら探し どんな一瞬にも君のいる毎日があった 笑いあった日々はもう来ないのだろうか ほのかに黄色く染まり始めた木々に問う 季節が移っても変わらない何かを 気づけばひとりで握りしめていた