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ローリエの週末

見上げちゃうくらい背の高いきみが
これでもかと小さく身体を屈めて
ワンルームの狭いキッチンに立っている
スパイスの香りが鼻をくすぐった
出来はどうですかとぼくが問うと
きみはくわえた煙草をふわっとふかし
まあいいんじゃねえかなと
白い息を吐き出しながら言う
料理人としてどうなのと揶揄しつつぼくは
きみの口を占拠している煙草を奪った
そんな煙なんかよりずっといいでしょうと
ついでにきみの唇も奪ってやる
苦くて嫌な味がして
これのなにがいいのかとぼくは咳き込んだ
なんだか急に大人になっちゃってと
ぼくはつんと拗ねてみせる
甘口のカレーを煮込んでくれているきみは
呆れたように苦笑して
キスもまともにできねえのかよと
苦い口でひどく甘い口づけをした

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