才能がある、という夢を見る。 運動ができて、勉強もできて、友達が多くて、彼氏もいる。 わたしはなんでも持っていて、欲しいものなんてない。 僻む声さえもない。 すべて自分の思い通り。 満たされている。 目が醒める。 醒めたら、夢は、消えた。 そして、わたしは空っぽの現実と向かい合うために、ブラウスの袖に手を通して、制服のスカートをはいて、髪を結び、ローファーを履く。 さあ、なにもない現実と、今日も戦おう。